Leica MZ16 修理
今年2月に2003年から愛用してきたLeica MZ16という実体顕微鏡が壊れた.
変倍ズームのダイヤルが空回りしてしまい倍率変更が全く出来なくなったのである.
浜野顕微鏡店経由で色々と調べてもらったが,メーカーでは海外を含めて部品がなく修理出来ないとのことであった.
旧モデルの部品切れは,Nikon等の国内の顕微鏡では良く聞く話であるが,残念である.
単純なギヤの破損なので,ギヤの再作成という話になったが,意外と特殊な作りのギヤでコスト的に断念となった.
修理を断念して戻ってきた顕微鏡を分解してみると,樹脂製のギヤが見事に割れている.
各部を計測して図面を起こしてみたが,非常にタイトな設計をしている.
機械加工で作成可能な別形状のかさ歯車を考えてみたが,ズーム時にレンズユニットやスプリング等の可動部に当ってしまい,オリジナルの形状が苦肉の策であることが良くわかった.
結局,色々なHPを参考にしてシリコンで型取りをして,歯車だけを樹脂成形した.
型取り・樹脂成形ともに歯が細かいため気泡に泣かされ,何10個も作る羽目になった.
上の写真は,仮止めしたオリジナルのギヤと,樹脂成形したギヤである.
(顕微鏡に組み込んだ状態での写真が見つからないので,気泡が多いため避けておいたギヤである.)
成型したギヤを温めて金属スリープへ圧入したが,半日で緩んでしまった.
何個かチャレンジしたが,流動性が高い樹脂では無理なようで,結局接着して様子を見ることとなった.
ズームダイヤルのテンション調整が上手く出来ていないことや歯車の耐久性等不満が残るが,取り敢えず使用可能となった.
LEICA MZ16 stereo microscope gear repair
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