新種のミギワバエ
先日,一通の別刷りが届いた.
昨年亡くなった,神奈川の脇氏が採集したミギワバエの1種で,Eremomusca wakiiの原記載である.
Revison of the Shore-fly Genus Eremomusca Mathis (Diptera, Ephydridae) with description on a new species from Japan. Proc. Ent. Soc. Wash. 110(1):67-78
Eremomusca属は,イスラエルと日本に各1種しか分布しないという,変わった分布をしている.
日本では,原産地の神奈川と,静岡桶川,千葉県一宮に分布している.おそらく,丹念に探せば茨城などでも見つかるのではないかと思われる.
脇氏は,徹底的に採集し,その大半をきれいに標本にするという,極めて几帳面な性格であった.
徹底的な採集というと,きれいな昆虫であれば反発されるかもしれないが,真っ黒で誰も見向きのしない
したがって,小型の双翅目であるミギワバエ科も,丁寧に翅を揃えて台紙張り標本としていたのを何度も見ている.当然,今回の新種(体長1.3-1.95mm)も,きれいに整理されているものと予想はしていた.
それでも,今回のParatype(副模式標本)が218♂232♀という数には驚かされた.(数えたほうも,よく数えたものだ(^_^;)
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