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2007年10月 3日 (水)

台湾のタイプ標本

 先日,海外からの問い合わせに答えようと,タイプ標本の資料を半日も探してしまった.

 殆どの情報をパソコンに入れてあるのだが,台湾の素木タイプ標本の情報だけが見つからなかった.情報公開もかねて,ブログにも併記しておく.

 日本のハナアブの場合,松村松年と素木得一のタイプ標本の検討が必要な種が多数残されている.特に,松村のタイプ標本は何人かの研究者が調べているが,殆ど検討結果が公開されていない.

 松村松年のタイプ標本は,大半が北大農学部に保管されているが,一部素木が借り出したままとなっている.また,北大に残されているハナアブ科の標本は非常に少なく(約1500頭),虫害等で多数の標本が廃棄されたとの話もある.

 素木得一のタイプ標本は,戦後に研究された標本は農業環境技術研究所に保管されていおり,一部写真が公開されている.同研究所に保管されているハナアブ科標本は2万頭前後と思われる.

http://cse.niaes.affrc.go.jp/nakatany/index.htm

 一方,戦前に彼が台湾総督府や台北帝国大学に在籍していた時代に研究した標本は,農業環境技術研究所に持ち帰ったものと,台湾に残されているものがあるらしいが,詳細は不明である.

 最近,台湾大学昆虫標本館のデータベースに一部の標本が公開されたが,ラベルしか残されていない標本が幾つかあるようである.
戦後の混乱期の保管状態が原因のようであるが,タイプ標本が無くなっているという事も,研究の重要な情報となる.

http://www.imdap.entomol.ntu.edu.tw/InsectSample.php#CAT_65

 素木のタイプ標本を調べる上で,注意しなければならないのは,TYPE等と記された丸いラベルが付いていても,真のタイプ標本でない場合が多々ある点である.中には,なぜこのラベルが付いているのか,解釈不能な標本もある.

 悪名高き素木標本の可能性も考えたが,鈴木亙(2002)の解説では,採集年の無い採集ラベルと,赤丸の付いた同定ラベルとの組合せと記されているので,該当しない.

 なお,鈴木亙(2002)によると,台湾総督府農業研究所に保管されていた標本は,台湾省農業試験所に移管されているようであり,こちらにもハナアブ科などの標本が残されている可能性がある.

http://www.tari.gov.tw/tarie/


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