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2007年4月25日 (水)

標本作成

 時折,ハナアブを集めてみようかという人からの相談が時々ありますが,一番のネックが標本作成のようです.

 やはり,甲虫等を集めている人はタトウに並べたがるようで,貼り付ければ良い標本になると考えているようです.

 ここで注意したいのは,貼り付け標本の場合は,側面に貼り付けるのが正しい方法となります.同定に胸部腹面を見る場合が多々あるからです.

 したがって,甲虫等のような腹面の一部を貼り付けたり,台紙に全体を張る方法では,同定出来ない場合が多々あります.また,熱湯などで台紙から剥がした場合,双翅目の場合は翅がクシャクシャになってしまいますし,体毛がボンドから剥がれずに脱落した場合,同定が不能となります.

 また,タトウで乾燥させた場合,剛毛等の脱落も心配です.他の昆虫と異なり,ハエ類の場合は剛毛列式という,胸部などの剛毛が何本の組み合わせになるかで検索したりします.当然,種の詳細な解説にも剛毛列が記されます.

例 ac 4+3 ; dc 3+4 ; ia 0+3 prs 1 ; h 3 : ph 2 ; nt 2 ; sa 2 ; pa 2 ; ・・・・・・・

ac 4+3 は,胸部背版の中央の剛毛列が,前半が4本,後半が3本 という意味です.

 鱗翅目などの幼虫に寄生するヤドリバエの権威である先生も,同定を依頼するのであれば羽化してきた寄生バエを注意深く捕殺し,剛毛が脱落しないように針刺しするようにと書いております.

 ハナアブの場合は剛毛が少ないので,ここまで神経を使う必要は無いので,きれいに見えるように展翅・展足することも可能です.
 しかしながら,付節の裏の剛毛を見たり,脚部の毛の色や並び,基節や転節の毛の状態,胸部下部の毛の状態,腹部の腹板の長さや色等の情報が必要とされる場合があるので,貼り付け標本の同定は困難な場合があります.
 
 そういえば,昨年ビニール袋入りの標本を調べてほしいという依頼もありましたが,これも同定作業が面倒でお断りしました.
 胸背の色や翅の微毛の状態などを見なければならない場合や,各部の比率を測定する場合,標本の角度を微調整しなければならないのですが,転がしてみている状態では困難です.
 台紙に貼り付けてしまえば良いのですが,袋入りで返さなくてはならないのでは困ってしまいます.

そんなわけで,ハナアブといえども針刺し標本を作りましょう.


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