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2006年12月10日 (日)

スケッチと描画装置

 昆虫の分類で必須なのが交尾器などのスケッチです。

 ハナアブは比較的複雑な構造の交尾器を持っているので、薬品で透過出来るようにして構造をスケッチします。当然、複雑に重なって見えますので複数の方向から見て、線を整理します。(原稿の締切りに間に合わないときは、整理しきれずに点線が増えます(^_^;)

 グループ内で比較したとき、交尾器の形状の変化が大きい場合は、写真で誤魔化しているのですが、難しい種群ではスケッチするしか無いようです。

 ところが、私は昔からスケッチが下手で、常々「幼稚園生のような絵」と言われてきました。当然嫌いですから、授業もさぼりがちで、高校の時は美術の単位がギリギリとなり、あやうく留年しかけました(^_^;)
課題も殆ど出さなかったように思います(書かなかった)。

 顕微鏡を使った描画方法では、接眼レンズ内に方眼グリッドを入れ、分割してスケッチする方法と、描画装置というハーフミラーを使って顕微鏡像と手元を同時に見る方法があります。当初、安上がりな方眼グリッドでスケッチをしていましたが、あまりに下手なので描画装置を買うことにしました。
幸いながら、当時使用していたNikonの実体顕微鏡には描画装置のオプション設定があったので、Nikonに頼んだのですが生産中止とのことで入手出来ませんでした。顕微鏡自体は購入から4-5年程しか経っていなかったので、Nikon側と散々揉めたのですが、あまり需要の無い部品なのでとの一点張り、次のモデルは新規格なので合わないとけんもほろろでした。二度とこのメーカーは買わないと思いました。
色々探した結果、東京の浜野顕微鏡店というところが中古の顕微鏡を扱っており、偶に中古が出るとのことでしたので、1年ほど探してもらいましたが見つかりませんでした。

 結果として、顕微鏡ごとLeicaに買い替えとなりましたが、やはりスケッチが下手ということは、ペンが思うように動かないのも原因の一つのようで、だいぶマシにはなりましたがあまり人には見せられるようなものではありません(^_^;)

何とか写真で出来ないかと思いましたが、焦点深度や画像合成ソフトの限界と、構造の複雑さ問題となり、意識的に重なりが無視出来る人間の目には敵わないようです。

 ところで、別に全ての種類について調べなければならない訳では無いですが、今までの研究では、ほぼ全ての種類について色や形で分類されてきたので、全く別の種類の学名がついている場合があります。
当初は、間違いを見つける喜びがありましたが、最近では見つける度にうんざりします(^_^;)

 各グループについて十分調べてしまえば、実体顕微鏡で区別出きるレベルの検索表が作れます。

 P.S. 便利な描画装置ですが、楽に書くためには照明のバランスが難しく、描画専用の照明を作りました。市販されているインバーターユニットを使用して、27WのU字型蛍光管2灯を自由に調光出来ます。(天板に横長の穴が空けてあるのは、実体顕微鏡の描画と併用のため。)

下図) 顕微鏡と照明装置、同消灯状態、顕微鏡内の状態

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コメント

検鏡スケッチ、見かけの視野の位置に用紙を置くこと。最近の顕微鏡は斜筒が一般的なので、用紙も傾けられればよい。
あとは像に鉛筆の先をかさね、なぞればよい。
実はステレオ写真を立体視する技術(地形学や地理学を学ぶ学生の必須の技)の応用です。簡単ですよ。
もう一つ、視野の明るさと紙面の明るさをできるだけ同じくすること。

投稿: k.さかもと | 2015年5月17日 (日) 23時36分

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