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2006年12月

2006年12月19日 (火)

描画の効率

 最近、オビヒラタアブ属Epistropheの調査のため、毎日のように交尾器の描画をしております。

 ハナアブなどの交尾器を顕微鏡で描画するとき、立体的な交尾器であるのでピントを調節しながら描画します。また、複数のパーツが重なったり、透過度が異なったりするため照明の微調整も頻繁に必要となります。

 そこでネックになるのが、照度調整のボリュームの位置です。

 今の顕微鏡は、ピント合わせやステージ移動などは左右好きな方向が選べるようになっています。ところが照度調整は必ず右側なのです。

Bx41_1 

 右手はペンを持っていますので、明るさの調整の度に持ち替えなくてはなりません。

 スタンド側である程度調整出来るようにしましたが、コレにも限度があります。

 裏技として、描画装置は左右両用ですので、左利き用に付け替えて、左手で書けば問題は解決しますが、私はそんなに器用ではありません(^_^;)

 いっそのことボリュームを強制的に左側に移動出来ないかと思いましたが、意外と難しそうです。

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2006年12月17日 (日)

3005年宇宙の旅

 現在、依頼先から返却されたガガンボ科のリストをまとめていたところ、とんでもない採集ラベルを見つけてしまった。

 30 - Aug., 3005

 何時の間にこんなに月日が進んでしまったのだろう(^_^;)

 依頼先からも何も言われなかったが・・・・・・・・・・・・・・・・呆れてナンも言えなかったとか

 コピー&ペーストで作っているので、その近辺のラベルは結構間違っていそう(^_^;)

  ググってみると、「3 – Sept., 3005」が表示され、この2回分のラベルがダメらしい。

 ところで、今年からラベルの形式を変え、経緯度と標高を入れてみました。

JPN / HOKKAIDO
TOMAKOMAI City (苫小牧市)
MISAWA, BIBI
美沢 美々付近
N42°46' / E141°43' : 9m ALT.
  2021 - July,  2006
K. ICHIGE leg.

あまり細かく毒ビンを入れ替えないので、分までの表示としました。およそ1.8km程の範囲に特定出来るようです。(1海里が1分というのを初めて知りました)

一時期メッシュコードの使用を考えましたが、採集した場所のコードを知るのに地図を買わなければならないのは苦痛でしたし、ローカル規格なので海外向けのラベルには使えないのでやめました。(需要が無いためか、一部マップは絶版ですし・・・)

今ではWebでメッシュ情報を調べられるようですが、サイトが消滅すると終わりですね。 http://210.255.173.147/tml/idokeido.htm

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2006年12月16日 (土)

標本交換

 海外の標本を入手する方法として、購入と標本交換が有ります。

 双翅目の場合は、需要が少ないのと取り扱いが非常にデリケートなためか、販売ルートにはほとんど出ることはありません。

 したがって、海外の研究者との直接交換が主体となります。

 今まで何人かの人と交換を行なってきましたが、今回のドイツ人は失敗でした。また、分類屋さん以外との交換というのも原因かもしれません。
当初87種のリストを送ってきたのに、途中で50種87頭と変更になったの多少気に入りませんでしたが、刺し直しすのが面倒なのでそのまま了承してしまいました。

 到着した標本を見て唖然としたのが、添付写真のような液浸標本を乾燥させた標本が3割も混じっていたことでした。

 P1050441m_1 P1050442m_1

P1050444m_1 

正直、研究用の標本ですので美的なものは求めていませんが、外部形態を比較する目的ですので、ここまで変形していると使い物になりません。

残念ながら、このような標本が交換の常識に外れているかどうか判りませんし、文句をつけるだけの英語力も無いので泣き寝入りです(^_^;)

教訓・・・相手から申し込んできた場合、先に送らせて相手の標本を見てから自分の標本を見繕うことにする。

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2006年12月10日 (日)

スケッチと描画装置

 昆虫の分類で必須なのが交尾器などのスケッチです。

 ハナアブは比較的複雑な構造の交尾器を持っているので、薬品で透過出来るようにして構造をスケッチします。当然、複雑に重なって見えますので複数の方向から見て、線を整理します。(原稿の締切りに間に合わないときは、整理しきれずに点線が増えます(^_^;)

 グループ内で比較したとき、交尾器の形状の変化が大きい場合は、写真で誤魔化しているのですが、難しい種群ではスケッチするしか無いようです。

 ところが、私は昔からスケッチが下手で、常々「幼稚園生のような絵」と言われてきました。当然嫌いですから、授業もさぼりがちで、高校の時は美術の単位がギリギリとなり、あやうく留年しかけました(^_^;)
課題も殆ど出さなかったように思います(書かなかった)。

 顕微鏡を使った描画方法では、接眼レンズ内に方眼グリッドを入れ、分割してスケッチする方法と、描画装置というハーフミラーを使って顕微鏡像と手元を同時に見る方法があります。当初、安上がりな方眼グリッドでスケッチをしていましたが、あまりに下手なので描画装置を買うことにしました。
幸いながら、当時使用していたNikonの実体顕微鏡には描画装置のオプション設定があったので、Nikonに頼んだのですが生産中止とのことで入手出来ませんでした。顕微鏡自体は購入から4-5年程しか経っていなかったので、Nikon側と散々揉めたのですが、あまり需要の無い部品なのでとの一点張り、次のモデルは新規格なので合わないとけんもほろろでした。二度とこのメーカーは買わないと思いました。
色々探した結果、東京の浜野顕微鏡店というところが中古の顕微鏡を扱っており、偶に中古が出るとのことでしたので、1年ほど探してもらいましたが見つかりませんでした。

 結果として、顕微鏡ごとLeicaに買い替えとなりましたが、やはりスケッチが下手ということは、ペンが思うように動かないのも原因の一つのようで、だいぶマシにはなりましたがあまり人には見せられるようなものではありません(^_^;)

何とか写真で出来ないかと思いましたが、焦点深度や画像合成ソフトの限界と、構造の複雑さ問題となり、意識的に重なりが無視出来る人間の目には敵わないようです。

 ところで、別に全ての種類について調べなければならない訳では無いですが、今までの研究では、ほぼ全ての種類について色や形で分類されてきたので、全く別の種類の学名がついている場合があります。
当初は、間違いを見つける喜びがありましたが、最近では見つける度にうんざりします(^_^;)

 各グループについて十分調べてしまえば、実体顕微鏡で区別出きるレベルの検索表が作れます。

 P.S. 便利な描画装置ですが、楽に書くためには照明のバランスが難しく、描画専用の照明を作りました。市販されているインバーターユニットを使用して、27WのU字型蛍光管2灯を自由に調光出来ます。(天板に横長の穴が空けてあるのは、実体顕微鏡の描画と併用のため。)

下図) 顕微鏡と照明装置、同消灯状態、顕微鏡内の状態

Draw01_1 Draw02_1 Draw03_1

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2006年12月 9日 (土)

発想の転換

 ハナアブなどの交尾器を分解するのに、自作の微小なメスを使用しているが、意外と研磨が難しい。

ショウジョウバエのサイトを参考に作ったメスだったが、研磨が下手だと切れ味が非常に悪くなる。(針の材料が悪いのかもしれない)

 先日、京都の師匠に会った際にメスの話しをしたら、刃物状に研ぐのではなく三角に研いでみたらと言われた。確かに、交尾器の各部をジョイントしている膜を切り離すのが目的だから、切り開くための刃物でなくても良いわけだ。

 結果、適当に磨いでも結構切れ味が良い。頭が固くなっているのかもしれない(^_^;)

 師匠は、昔は沢田高平氏等に教えを受け、アリヅカムシを長年調べていた為か、昆虫を徹底的に分解する性格なので、相当色々なノウハウを持っていそうだが、中々教わる機会は無さそうだ。
師匠と電話でハナアブの話をしていても、海外の論文でも見た覚えがない食喞筒(cybarial pump)の形状による系統の話や、膜状骨(tentrium)の話などが突然出たりし、教えを受けていくには猛勉強を強いられる。
身近な交尾器の話をしていても、交尾器の筋肉の付着部からの系統等、海外の学術誌に投稿出来るレベルの内容で振り回されてしまう。 判らない時は、とりあえず相槌を打っておき、メモして後で調べてなくてはならず、学生に戻った気分である(^_^;)
このような人と出合ったのが、幸運であったか不運であったかは、ボケてから考えようと思う。

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2006年12月 8日 (金)

12カ国語辞典

 以前も翻訳の話を書きましたが、今回は辞書について書きます。

 電子辞書の検索などは、DDWINというリーダーを使っています。通常は、これにランダムハウスとクラウンの独和・仏和や各辞典・辞書をセットしています。

 このほかに、タイトルに書いた三修社の「12カ国語辞典」というのを別にセットしてあります。デンマーク語とオランダ語が目当てでオークションで買いました。どちらも著名なハナアブの研究家がおり「Danmarks Svirrefluer」「De zweefvliegen van Noordwest-Europa en Europees Rusland, in het bijzonder van de Benelux」などの名著があります。

12

 

意外と収録されている単語数が少なくあまり役立っていません。 もっとも、語学音痴の私には、語尾変化が良くわからないので、検索表程度しか引くことは出来ませんが(^_^;)

それでも、12ヶ国語あるとなんか得したような気分です(^_^)

オリジナルの12カ国語辞典は独自の辞書形式なので、フリーソフトでDDWINで扱える形式に変換して使っています。

その他にも、世界大百科事典や英辞郎・小学館国語大辞典等をDDWIN形式に変換して使っています。

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2006年12月 7日 (木)

交尾器紛失防止法

 判りにくいハナアブを調べるときなど、交尾器を見なくてはなりません。

 無くして困るような標本の場合、腹部を折り取って湿式で解剖するのですが、量が多いと面倒です。乾燥標本のままで引き出してある交尾器を折り取ろうとすると、静電気などで飛んでしまうことがあります。大概は顕微鏡の周辺に落ちていますが、時々見つからないときがあります。

 フードを作れば良いと思いましたが、標本の高さに応じてフードの高さを変えなければならず、良い案が浮かびませんでした。

 横着をして、大きめのビニール袋に穴を開けて使用してみたところ、予想以上に結果が良かったです。(ビニールですから、かえって静電気が悪さをするのではないかと思いましたが、意外と大丈夫でした。)

 大き目のビニール袋の末端近くにリング照  明より小さめの穴を開け、リング照明に延ばすようにしてひっかけて、簡単なフードにしました。

 実体顕微鏡からは良く見えますし、静電気のおかげで切り離した交尾器も、大概ビニールにしっかり引っ付いています(^_^;)

 P1040009_2

P1040010_1

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2006年12月 5日 (火)

マレーズトラップ耐久試験

 春に設置したマレーズトラップが大分痛んだので、ボトルを外して先日まで放置してみました。

 低額な簡易型なので耐久性はかなり劣ると思っていましたが、約10ヶ月で側面が全て外れて落ちてしまいました。(ボトルを最後に回収した9月には、なんとか使用できる限界でした)

 設置場所は、湿地のハンノキ林内で日中は日陰となるような環境です。やはり半年が限界のトラップのようです。

Photo_7_1

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