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2006年11月

2006年11月28日 (火)

文献の探し方

 昆虫を細かく調べようとしたときに必要になるのが色々な文献ですが、文献の取寄せ方が判らないとの問い合わせがあったので簡単に記しておきます。

 国内の複写依頼システムは、国会図書館を頂点とした各公共図書館間での複写依頼システムと、各大学・研究機関附属図書館を結ぶILL文献複写等料金相殺サービス に分かれております。このため、個人での大学などへの複写依頼を謝絶している大学がたくさんあります。

 一番簡単なのは、地元の公共図書館のリファレンス窓口を通して複写依頼をすることです。一ヶ月程度で取り寄せ可能です。
図書館に行って、論文名や著者、発行年、雑誌名を所定の用紙に書き込めば、大概の文献は取り寄せてくれます。(難点は支払いの関係で時間が掛かることです。)

他に、国会図書館は個人で登録して、Webを通して後払いで複写依頼することが出来ます。
http://www.ndl.go.jp/index.html      登録利用者制度について
また、この頁のNDL-OPACで国会図書館の図書・雑誌の所蔵情報を調べられます。意外と色々な昆虫関連の雑誌を所蔵しています。

国内の図書・雑誌の所蔵情報は、
http://webcat.nii.ac.jp/
で調べられます。

 昆虫関連の文献ですと、北大・九大・鹿児島大学・科博等の図書館が個人で複写申込みが可能です。見開き1頁で35~50円/枚程度の料金です。
 注意したいのは、一度に5-10件程度までしか複写依頼を受け付けてくれないので、支払いの現金書留(550円程度)が非常に高くつきます。

 九州大学は、依頼方法と依頼書が下記に載っています。 http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ill/gakugaikojin.html

 国内に無い文献の場合は、大英図書館BLの複写サービスで入手します。
http://www.bl.uk/
これも、Web申し込みで、PDF(1回しか印刷出来ない)か航空便で入手可能です。PDFはとても早く着きます。
 難点は、1文献50頁までの複写が3000円程度掛かります(1頁でも50頁でも一律)。支払いはクレジットカードです。

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2006年11月27日 (月)

写真合成

 先日の双翅目談話会関東同定会で、色々尋ねられた拡大写真の撮影方法についてです。

 現在、行なっている実体顕微鏡を転用した撮影は、コリメート法のため焦点深度が浅く昆虫などの立体的な撮影には不向きとなります。そこで、複数のピント位置で撮影した画像ファイルを自動合成して深い焦点深度としています。

 使用ソフトは、HeliconFousというシェアウェアです。(試用出来ます。)

 http://heliconfilter.com/pages/index.php?id=509

 被写体の多少の移動は、ソフト側で補正してくれます。(上記頁の花の写真を参照)

Photo_6_1

 年間3000円程度の契約で使用していますが、殆ど問題なく使用しています。一部アルゴリズム的に処理しきれない画像の場合がありましたが、98%以上の写真がWeb公開に支障ない程度に合成出来ています。

 サンプル頁には、なんとハエの頭部が載っています。写真をクリックすると合成過程が表示されます。

 http://heliconfilter.com/pages/index.php?focus_samples

 現在はProバージョンが登場し、上手く合成出来ない部分について、任意のフレームの選択部をワンタッチで貼り付けることが出来るようになっています。

 以前、会社でセラミック破断面を合成撮影するのに同様なシステムを1000万超で購入しましたが、多数の場所を手作業で補正しなければ使い物にならず、しばらくしてお蔵入りとなった経験があります。それに比べると、より高性能なソフトがこんな価格でと驚きです。

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翻訳

 日本未記録の種類などを調べようとすると、海外の文献を読まなくてはならないが、ここで難問となるのがロシア語です。

 私の場合、全く読めないので、文献をスキャンしPrestoOCRでテキスト化し、MS-Wordで単語毎に英語交じりに置換処理を行なっています。置換処理後の一例です。

61. Сем. LONCHOPTERIDAE (MUSIDORIDAE) - ОСТРОКРЫЛКИ

(Сост. С. Ю. Кузнецов[Kuznetzov], Н. В. Кузнецова)

Представители сем.[family] Lonchopteridae обычно[usually] от[from] небольших[small] до[to] мелких[small] размеров[sizes] мухи[fly], стройные[slender], желтые[yellow] до[to] черноватых[blackish], с длинными[long] щет.[seta(bristle)] и[and] крепкими[strong] ногами[leg] (рис.[figure] 28). 

黒文字のПредставителиは、辞書登録されていなかった単語です。

置換出来なかった単語は、Web辞書などを使用して単語登録します。

OCRには、Presto OCR 4.2を使用しております。(英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語等の18語に対応しておりスペルチェックや辞書登録も可能です。安価だったのですが現在は販売されておりません。)

良く使用しているロシア語のWeb辞書は、下記の2種類です。

Systran (要登録) http://www.systranet.com/systran/net 

翻訳用ですので、語尾変化もソフトが考えてくれます。

Translation results

Original text
Представители

Translated text
Representatives

ABBYY Lingvo          http://www.lingvo.ru/lingvo/index.asp

純粋な辞書ですので、語尾変化は候補が出るので自分で選ばなくてはなりません。

представитель

муж.

1) representative

быть представителем — (какого-л. лица или организации) represent

официальный представитель — official representative

полномочный представитель — plenipotentiary

чрезвычайный представитель — ambassador extraordinary

2) (образец) specimen

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2006年11月19日 (日)

北大訪問

標本調査のため、再び北海道大学昆虫学教室に行ってきました。

Photo_2_1  Photo_3_1 

現在は北大交流プラザとなっている旧昆虫学教室と石造りの標本庫です。
確か現在の北大内最古の建物と書いてありました。

Photo_4_1

正門近くにある昔松村松年が住んでいた建物です。(数回引っ越しているらしい)
現在は、若者向けの飲み屋になっております。

Photo_5_1

農学部前に広がるレクリエーションエリアの看板です。

大学構内でジンギスカン鍋をするとは驚きました。

このブログは画像が自由に配置しにくいですね。

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2006年11月12日 (日)

小形蛍光灯ランプ

先日、ASKULで蛍光灯付きスタンドルーペを見つけました。Photo_9

ちょうど、小型の蛍光灯を探していおり、値段も5000円以下と手頃だったので購入してみました。

レンズが重いのか、ある程度以上寝かせると自重でヘッドが下がってしまいます。(寝かせるのは想定外のようです・・・)

思い切って、撮影用に照明に改造してみました。

Lupe_1

意外にも、安定器式ではなくインバーター式でチラつきも無く快適です。

P1040002_1

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2006年11月 3日 (金)

標本箱の値上げと昆虫産業の将来

しばらくぶりの更新です。

先日、標本箱を補充するべく六本脚のHPを見たところ、足柄工芸製の標本箱が軒並み値上がりしていた。

わたしが愛用している桐箱大も、30000円/10箱と7000円程度上がっており顔が青くなってしまった。

愛用の桐箱は、足柄工芸・タツミ製作所や志賀昆虫のインロー桐箱の37x27cmというサイズであり、頻繁に調べる箱は専用の標本ダンスを使用して整理している。P1040001_1

今回の値上げの詳細は判らないが、足柄工芸は70歳過ぎのかたが一人で標本箱を作っていると聞いている。この方が寝込んだりしたら、標本箱の入手が困難になるのは目に見えている。

中国製で2000円前後の安い桐箱が木曜社やむし社で売られているが、40x30cmとサイズが異なっている。ドイツ箱は規格が安定しているが、割高なためと7畳の部屋には大きすぎて現実的ではない。

色々考えるうちに、とある学芸員との会話を思い出した。彼が言うには、昆虫愛好者が減ると日本の昆虫産業が壊滅し用品関連の入手が困難になるというのである。

生き虫以外の愛好者が急速に減っているのは判っていたが、それによって自分の首が絞まるとは考えていなかった。

需要が見込めないのでは、後継者が育たないので、会社は一代限りとなるであろう。歴史のある志賀昆虫とて、危ないのではないだろうか?

そうすると、全て輸入に頼ることになるが、個人輸入が困難な標本箱などは、業者がいくらでも高い価格に設定することが可能になってしまう。各業者横並びで高い価格を設定されたらどうにもならない。

甲虫などと異なり、基本的に針刺しの必要な双翅目は、針台や箱代が非常にかさむ。100本180円や250円と安い志賀のステンレス針を愛用しているが、これが外国製だと100本600円程度と3倍もかかってしい、年間2000~3000本は使用しているので12000円程度上昇する計算である。

昆虫産業が壊滅しないように、私たちは何が出来るか考える必要があるようである。

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